笠利病院だより

徳洲新聞 岡院長記事

当院は奄美空港から車で約5分の笠利町にある89床の療養型病院です。奄美空港は東京や大阪、福岡、名古屋など主要都市への直行便があり、利便性が高いです。地元の奄美市は合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの数の推定値)が1.88(2013年~17年平均、全国平均1.43)と高く、子だくさんの家も多いため子育てしやすいと言われています。
 

その一方で、市の高齢化率も全国平均より高く、当院の患者さんの多くは認知症の高齢者。認知症ケアに注力するとともに、入院中は体操や散歩などで体を動かし、服薬コントロールを行い、生活リズムを整え寝たきり状態にならないように努めています。訪問診療や訪問看護なども積極的に行い、退院後の在宅生活もサポートしています。
 

最近は看護師採用が比較的安定しています。当院のブログなどで仕事もプライベートも充実している様子を発信するなど、応募につながる工夫が奏功しているのかもしれません。なかには他の離島病院に協力で行く看護師もいます。

今後は、糖尿病の予防に力を入れていきたいと考えています。奄美大島は黒糖の産地であり、おやつ代わりに黒糖を食べる習慣があるせいか、高齢になってから糖尿病を発症する方を今まで数多く見てきました。医療講演などで糖尿病予防の啓発活動をしていきます。
同時に、離島・へき地の医療人材を充足させる取り組みにも挑戦していきたいです。1~2年単位で徳洲会グループの離島・へき地病院で働き、その後は元の勤務先に戻るシステムを築き、人材不足を補うとともに、離島・へき地で働いた経験を都市部の病院で生かしてほしいと切望しています。

徳洲新聞 2023.7.31 No1400